所得税の申告漏れが発覚した場合のペナルティ
個人事業者、フリーランス、アパート収入がある方からサラリーマンまで、私たちの生活の中で、多くの方が所得税との関りをもっており、申告を行っている方も多いかと思います。
もちろん、サラリーマンの方は勤務先で給与やボーナスから源泉徴収し、年末調整で精算されることが多いため、大部分の方は確定申告の必要はありません。
しかしながら、副業や株取引等の所得が一定以上あった場合などには、所得税の申告を行わなければなりません。
こうした所得税の申告を行わなければならないにもかかわらず、申告の一部又は全部が申告されていない場合には、申告漏れの状態となってしまいます。
そこで本記事では、所得税の申告漏れとはどういった状態のことを指すのか、この場合にはどのようなペナルティが生じてくるのかを解説いたします。
所得税の申告漏れとは?
所得税の申告漏れとは、税金の計算に間違いがあったり、所得税法の解釈等を誤ったりして少なく申告した場合や、 所得を得ているにも関わらずこれに気付かない場合、申告すべき所得という認識がなく手続きが遅れた場合など、意図せずに税金を少なく申告する (申告しなかった)行為を指します。
では、これらの所得税の申告漏れを防止するために、どのようなことに注意したらよいのでしょうか。
① 申告前にご自身の一年間を振り返り、特に従来と異なる所得を得ていないかを確認することが必要です。
② (税法は改正が多いことから)所得税の税率や控除額など、改正点を含め、事前に調べておくことも大切です。
③ 申告の作成に向けては、時間をかけて丁寧に行うこと(時間的余裕)が大切です。
④ 申告の提出後に期限内に納税がされているか、万が一、不足している場合には期限内に不足分を納付しましょう。
以上の点に注意することで、所得税の申告漏れを防ぐことに繋がります。
所得税の申告漏れ等におけるペナルティについて解説
所得税の確定申告を期限内に行ったものの計算に誤りがあり、納付税額が過少であった場合や、確定申告を行わない場合には、加算税や延滞税といったペナルティが生じる可能性があります。
具体的に、ペナルティの内容を見てみましょう。
加算税
1.過少申告加算税
期限内に申告は行ったものの、税金計算が過少であったため修正申告を行った場合や、税務署から更正(税務署側が申告の誤りを正す)があった場合は、過少申告加算税が課されます。加算税率は追加納税額の10%です。
なお、追加納税額が期限内申告納税額と50万円のうち多い金額を超える場合は、その超える部分に適用される税率は15%となります。但し、税務調査の事前通知よりも前に自主的に修正申告を行う場合には課されません。
2.無申告加算税
(期限内に申告をせず)期限を過ぎて申告を行った場合や、税務署による決定(申告を提出する義務があると認められる者が、申告書を提出しない場合に、税務署が税額等を確定)があった場合には、無申告加算税が課されます。加算税率は納付すべき税額の15%です。
なお、納付税額が50万円を超える場合は、その超える部分に適用される税率は20%となります。但し、税務調査前に自主的に期限後申告を行った時には5%に軽減されます。
3.延滞税
加算税の他に、期日までに納税が出来なかった際のペナルティとして、延滞税があります。具体的には、 ①申告により確定した税額を納期限までに完納しないとき ②期限後申告書又は修正申告書を提出した場合で納付税額があるとき ③更正又は決定処分を受けた場合で納付税額があるときは、法定納期限の翌日から完納する日までの日数に応じ、一定の率により算定した金額を納めます。なお、加算税には延滞税は生じません。
延滞税の税率は次の区分に応じ、それぞれ定める率となっています (2023年の場合)。
・納期限の翌日から2ヶ月を経過する日まで 年2.4%(特定基準割合 + 1%)
・納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後 年8.7%(特定基準割合 + 7.3%)
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また、一般社団法人租税調査研究会(東京)にも所属し活動しております。
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