法人の不動産売却で法人税の節税はできる?
法人が保有する不動産を売却する際、気になるのが「法人税の負担」です。
売却によって得た利益には法人税が課されるため、可能な限り節税したいと考える方が多いでしょう。
本記事では、法人による不動産売却時にかかる法人税の仕組みや、節税対策について紹介します。
法人の不動産売却と法人税の概要
まずは、法人の不動産売却と法人税の概要についてみていきます。
不動産売却時の法人税の仕組み
法人が不動産を売却すると、その売却益に法人税が課されます。
売却益とは、不動産の売却価格から簿価(帳簿上の価値)や売却にかかった費用を差し引いた額です。
この利益が法人の所得となり、法人税等の対象となります。
簿価の計算と減価償却の影響
不動産の簿価は購入価格から減価償却費を差し引いた残高で計算されます。
減価償却は毎年、一定の計算方法で費用化(償却)され、簿価を引き下げます。
売却損が出た場合の取り扱い
売却価格が簿価を下回った場合は売却損が発生します。
売却損は損金として扱われ、他の所得と相殺できるため、節税につながります。
節税対策のポイント
不動産売却時の節税対策のポイントとしては、主に以下が挙げられます。
売却タイミングの調整
売却益が発生する年度に、他事業で赤字が出ている場合は、その損失と損益通算することで法人税を抑える効果が期待できます。
損益通算を行ってもなお利益が残る場合は、売却時期を翌期に繰り延べるなど、タイミングを調整することも有効な節税手段となります。
再投資で節税
不動産売却で得た利益は、人材や設備への投資にも活用できます。
たとえば、社員教育や研修費、採用活動なども経費計上が可能で、結果的に課税所得の圧縮につながります。
さらに、中小企業投資促進税制などを使って設備に再投資すれば、特別償却や税額控除の対象にもなります。
特例の活用
一定の条件を満たす場合、売却益の一部に対する課税を将来に繰り延べることができます。
例えば、事業用資産の買換え特例など、事前に税務上の特例措置を検討しましょう。
まとめ
法人の不動産売却に伴う法人税は、簿価や売却益の有無によって大きく左右されます。
売却タイミングの見極めや、人材・設備への再投資、税務特例の活用などの対策を行うことで、税負担を軽減することが可能です。
不動産売却の節税対策に関してお悩みの場合は、専門家である税理士に相談することをおすすめします。
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